文化審議会国語分科会の漢字小委員会は21日、常用漢字表に追加する予定の字種191字の音訓を定める案と、現行の常用漢字の一部に音訓を追加する案を承認した。「臭(にお)い」と「匂(にお)い」、「怪しい」と「妖(あや)しい」、「恐れる」と「畏(おそ)れる」など、複数の漢字が同じ訓をもつ異字同訓の用法が新たに認められ、常用漢字の表現力が少しだけ豊かになりそうだ。

 追加される字種には、「切る」に対して「斬(き)る」、「張る」に対して「貼(は)る」、「捕らえる」に対して「捉(とら)える」、「当てる」「充てる」に対して「宛(あ)てる」、「跡」に対して「痕(あと)」、「歌」に対して「唄(うた)」などがある。

 追加される音訓では、「込む」に対して「混(こ)む」という訓を認め、「負けが込む」「電車が混む」のような使い分けができるようにする。ただし「込(混)み合う」「人込(混)み」はどちらも使える。ほかにも、「延べる」に対して「伸(の)べる」、「作る」「造る」に対して「創(つく)る」、「早まる」に対して「速(はや)まる」などがある。

 このほかに追加する訓読みには、日常生活などで使う機会が多い「育(はぐく)む」「応(こた)える」「関(かか)わる」がある。「私」には現在の「わたくし」という訓に「わたし」が追加される。「要」も「かなめ」と読めるようになる。

 文化審議会は05年、文部科学相から「情報化時代に対応する漢字政策のあり方」を諮問され、常用漢字表の改定に取り組んでいる。漢字小委員会は次回から追加字種の字体の検討作業に入る。09年2月までに新常用漢字表(仮称)の試案を作り、文化庁のホームページなどで意見を募る。内閣が新常用漢字表を告示するのは10年秋の予定。

【追加字種関連】(後の方が追加される字種)

●はる

 張る(氷が張る、張りのある声)

 貼る(ポスターを貼る、タイル貼りの壁)

●あやしい

 怪しい(挙動が怪しい、空模様が怪しい)

 妖しい(妖しい魅力、妖しく輝く瞳)

●とらえる

 捕らえる(犯人を捕らえる、獲物の捕らえ方)

 捉える(文書の要点を捉える、問題の捉え方が難しい)

●おそれる

 恐れる(死を恐れる)

 畏れる(師を畏れ敬う)

●におい・におう

 臭い・臭う(魚の腐った臭い、生ごみが臭う)

 匂い・匂う(梅の花の匂い、香水がほのかに匂う)

【追加音訓関連】(後の方が訓が追加される漢字)

●こむ

 込む(負けが込む、手の込んだ細工を施す)

 混む(電車が混む、人混みを避ける)

●のべる

 延べる(出発の期日を延べる、金の延べ棒)

 伸べる(手を伸べて助け起こす、救いの手を伸べる)

●はやまる

 早まる(出発時間が早まる、早まった行動)

 速まる(回転のスピードが速まる、脈拍が速まる)

Posted by Takumi

2008/10/22 08:42 2008/10/22 08:42
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