支援が実現すれば、今回の金融危機でIMFの初めての介入。連鎖的な危機への対応は97年のアジア通貨危機以来になる。
IMFによると、ウクライナはIMF側とすでに協議に入った。ウクライナ側は、IMFから最大140億ドル(約1兆4千億円)の緊急融資を受けられるとみている。アイスランドには現在、IMFの調査団が入っており、アイスランド政府もIMFの支援を仰ぎたい考えだ。ハンガリーでも、IMFの支援要請の検討が進んでおり、IMF側も「支援の用意がある」と表明した。
3カ国の経済悪化を招いたのは、主要国の金融中枢の機能不全による、世界中の投資の縮小だ。とくに、比較的リスクが高いと見られる新興国から資金を引き揚げる動きが加速している。このため、東欧諸国などでは、自国通貨がドルやユーロに対して大幅に安くなったり、外貨のローンを借り換えられなかったりという問題が急拡大した。
欧州メディアによると、ウクライナでは通貨フリブナの対ドル相場が下落。投資引き揚げの動きに加え、今年に入って貿易赤字が大きく拡大している、という。株価は今年に入り、7割以上値下がりした。
資金繰りに苦しむ金融機関の経営を懸念した国民が預金引き出しに殺到、中央銀行が制限措置を実施した。政府は「昨年を上回る成長を続けており、経済は健全だ」(チモシェンコ首相)などと沈静化に必死だが、混乱が続く。
ハンガリーでも、通貨フォリントと株価が下落。16日には欧州中央銀行(ECB)がハンガリーの中央銀行に最大50億ユーロ(約6700億円)を貸し出す異例の措置を打ち出した。AP通信によると個人や企業の借り入れの約6割が外貨建てとされ、依存度の高さや経済の先行き懸念が、信用不安を高めている。
金融サービス分野に注力して急成長を続けたアイスランドも金融危機で暗転。銀行の経営危機が次々表面化し、政府が主要行を相次ぎ国有化したが、通貨クローナも急落し、対ユーロでの相場固定(ペッグ)制を導入直後に撤回を余儀なくされるなど、大混乱が続いている。
97年のアジア通貨危機では、外資に頼って成長したタイ、インドネシア、韓国が相次いでIMFの緊急支援を受けた。アジアではそれ以降、国内の貯蓄を増やす国が増え、それが米国に流れ込んで今回の危機の遠因にもなっていた。一方、東欧などでは、ユーロ圏からの資金調達を増やし、経常収支赤字を膨らます国も多く、危機の波及が懸念されていた。
Posted by Takumi

